あらゆる地形に対応するMSRスノーシューのフラッグシップシリーズです。外周を取り囲む板状の360°トラクションフレームと2本のクロスメンバーが優れたグリップ力と剛性を発揮し、丈夫でしなやかなデッキが地形に追従。急斜面の登りやスノーシューが苦手とするトラバース時にもしっかりと雪面を捉えます。ライトニングデッキと新しいパラゴンバインディングを組み合わせたMSRスノーシューのフラッグシップ。なだらかな丘陵から森林限界を越える山頂まで、あらゆる地形に適応します。
Photo: Tempei Takeuchi
先シーズン、どのようなシチュエーション、ロケーションでパラゴン・バインディングを使用してきましたか?
昨年の1 2月にハート・フィルムのクルーでカナダのレベルストークへ行った時から使い出しました。標高2,000mにあるロッジにステイしながら、毎日ハイクアップするカナダでの時間で、新しいバインディングにもすぐに慣れた感じですね。帰国してからは、今年リリースするムービーの撮影で、札幌近郊の深雪のロードサイドから、カリコリの急斜面、岩場などがある十勝岳連峰のアルパインエリアなど、僕が行けるすべてのエリアで使いまくりました。撮影も多かったんで、今年はジャンプを踏み固める時にもよく使ってましたね。
3ストラップのモデルとの違いをどう感じましたか?
これまでの3ストラップのバインディングと比べて、とにかく脱ぎ履きの時間が短縮されたことが一番の違いです。山の上では時に過酷な状況もあるので、この時間の短縮って部分は使っていてかなり大きなメリットだと感じました。ハイク中の小休憩のタイミングなんか、再び履くのを手間に感じて、スノーシューを脱がずに休むことも多かったんですけど、パラゴンにしてからは休憩時間にすぐ脱ぐようになりましたね。
では使用感について聞かせてください。
メッシュで足の甲が全面覆われている分、これまでよりも圧迫感がないので、一番最初に履いた時は不安に感じました。でも結局のところ、これまでの使用感と変わらずに安心して使えました。固い斜面をトラバースする時に、横方向への動きにメッシュが耐えられるのか? という視点でもチェックしてましたけど、サンプルモデルでは少しだけ感じた不安点も、製品ではしっかり修正されているので、これまでとまったく変わらない安定した使用感だと思います。
その他、使用してみて感じたことなどありますか?
大した情報じゃないかもしれませんけど、バックパックに括りつけた時、これまでのようにストラップがプラプラしないんですよ。滑りに影響のあることじゃないですけど、見た目がスッキリしているのはいいですね。
結果的にパラゴン・バインディングはどうですか?
もう前のモデルには戻れません(笑)。使用感って部分では変わらない安定感と安心感があるのに、とにかく脱ぎ履きが早くて楽なんで、結果的にパラゴンじゃなきゃ嫌です! ってくらい調子いいです。
中井孝治
11歳でスノーボードを始め2度の冬季オリンピックに出場。
その後、地元の北海道やカナダでバックカントリーの魅力にハマり、ニュージーランドやチリ、アラスカにも足を運ぶほど。
| 基本情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 22インチ, ガンメタル | 22インチ, ラズベリー | 25インチ, ガンメタル | 25インチ, ラズベリー | |
| 寸法 | 18×56cm | 18×64cm | ||
| 重量(ペア) | 1740 g | 1812 g | ||
| 対応荷重 | ~80kgまで | 54~100kg | ||
| 生産国 | USA | |||
| JANコード | ||||
| 詳細情報 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 22インチ, ガンメタル | 22インチ, ラズベリー | 25インチ, ガンメタル | 25インチ, ラズベリー | |
| フローテーションテイル対応 | ◯ | |||
| 対応テイル | ライトニングテイル | |||
スノーシューの主な役割は「浮力(フローテーション)」と「グリップ(トラクション)」です。MSR®のスノーシューはすべて優れたトラクションを備えているので、次に考えるべきは浮力、つまりサイズの選択です。
まず、スノーシューを使う際の体重を測りましょう。ここには普段着ている服や装備の重さを含めます。一年に数回の1~2泊程度の遠征であれば、約23kgの大きなザックは含めず、普段の服装にデイパックと水だけを足した重さで計算してください。
次に、主に歩く雪の状況を考慮します。深くて手つかずのパウダースノーなのか、整備されたトレイルや既存のスノーシュールートなのか。高地や北方のように雪が深く軽い地域では大きめのスノーシューが適しています。一方で、標高が低いか沿岸部のように雪に水分が多く、比較的早く締まる地域では小さめのスノーシューが適しています。
基本は、ほとんどの状況で使いやすく機動性を最大化できる、可能な限り小さいサイズを選ぶことです。MSRの全ての大人用スノーシューには「モジュラー・フローテーションテール」が付けられるため、サイズ選びがさらに簡単になりました。サイズの境目で迷った場合は小さい方を選び、必要に応じてテールを追加して浮力を増やすのがオススメです。
これらのスノーシューはいずれも優れたトラクション(滑り止め性能)、アグレッシブなバインディング、エルゴノミック(人間工学的)なデッキ形状、モジュラー・フローテーション機能、そして高い耐久性を備えています。
しかし、ざっくり言うと、プラスチック製デッキのEvoとRevoは耐久性に優れ、アルミニウム製のLightningは最高レベルのトラクションを発揮します。
Lightningの特徴は、360° Traction™フレームに沿って垂直に歯が配置されていることと、底面に2本のクロスメンバー(支柱)があること。これにより、横方向の斜面(トラバース)でわずかに優れたグリップを提供します。
一方、Evoのデッキは非常に丈夫な射出成形プラスチック製で、通常使用時の耐久性にわずかな優位性があります。また、このプラスチックデッキは歩行時に足裏での柔軟性が高いのが特徴です。
対照的に、Lightningスノーシューは剛性が高く、硬く締まった雪の上を歩くときに静かな歩行感が得られます。
使用後は必ずスノーシューを乾燥させてください。
保管するときは、鋭いトラクションパーツ(歯など)が他のギアを傷つけないように、スノーシュー同士を底面同士で合わせて収納するのがおすすめです。
トラクションが不十分だと、一歩一歩で貴重なエネルギーを無駄にしてしまい、とても効率が悪くなります。
そのため、当社のスノーシューはお子様用から最もアグレッシブなモデルまで、どれを選んでも業界最高レベルのトラクションを提供しています。
これにより、滑りにくくしっかりとした足場で効率よく歩けるため、どんな場所でも自信を持って楽しむことができます。
まず第一に、自分のニーズに合ったバインディングを選びましょう。快適さを重視しますか?それとも確実な固定を優先しますか?
理想的なバインディングは、その両方を兼ね備えています。
また、どんなに機能が優れていても、凍ってしまうと役に立たないことを理解しておくことも重要です。ナイロン製のウェビングやコード類は水を吸いやすく、凍結すると使い物にならなくなる場合があるので注意してください。
シンプルな構造(壊れにくい部品が少ないもの)で軽量なものを選びましょう。実際にお店で、フィールドで使う予定の靴を履いて試着することも大切です。
特に足が非常に小さいまたは大きい場合を除き、良いバインディングは幅広い靴のサイズに対応できるので、選択肢が広がります。
MSRのスノーシューは、誇りを持ったMSRの従業員が一つひとつ丁寧に製造しています。
北米および日本で販売されるスノーシューはアメリカの工場で作られており、ヨーロッパで販売される製品はアイルランドのコークにある施設で最終組み立てが行われています。